不満とは?/ セントラルファイナンス
[ 539] ハイブリッド車の燃費に不満の声 | WIRED VISION
[引用サイト] http://wiredvision.jp/archives/200405/2004051303.html
ハイブリッド車は熱い盛り上がりを見せているが、さかんに宣伝されているほど燃費がよくはないと不満を訴えるオーナーたちの熱さにはかなわないようだ。 誇大広告だ、と自動車メーカーを非難してはいけない。専門家たちによると、責めを負うべきは19年前に作成された米環境保護局(EPA)の燃料効率テストで、このテストがハイブリッド車の性能を過大評価しているのだという。 ピート・ブラックショー氏は、ガソリンと電気のハイブリッド車を手に入れる興奮を抑えきれず、ホンダの販売店に『シビックハイブリッド』を取りに行くまでの道中を妻にビデオ撮影させたほどだ。ハイブリッド車の熱狂的な支持者となったブラックショー氏は、『MO MILES』(もっとマイルを)と書かれた特製のナンバープレート(写真)を注文し、ハイブリッド車に乗る新しい生活を綴ったウェブログも始めた。 しかしオハイオ州シンシナティにある職場に数ヵ月通勤した後、ハイブリッド車がもたらしたブラックショー氏の幸福感は消えうせた。期待していた燃費は夢に過ぎなかったことが、走行距離計についている燃費表示で明らかになったからだ。ホンダのシビックハイブリッドは、EPAの評価によると市街地でリッターあたり約20.0キロ、高速道路で約20.4キロとされている。たいていは市街地を走るブラックショー氏が1600キロ近く走ったところ、燃費はリッターあたり約13.3キロとなった。 「『MO MILES』と書かれたナンバープレートをつけてシンシナティを走っていると、自分がまったくのペテン師のように感じる」と話すブラックショー氏は、これまでに6400キロ以上走ったが、燃費が14キロを超えたことは一度もないと断言する。車を購入したホンダの販売店から、車は正常に機能しており、他にできそうなことは何もないと告げられてからは、ブラックショー氏のウェブログの内容も称賛から失望へと変化した。 米インテリシーク社で最高マーケティング責任者(CMO)を務めるブラックショー氏は、この問題についてホンダの地域責任者と話し、4月中旬にはホンダ米国法人の国内販売担当副社長に手紙を書いたが、返事は受け取っていない。ブラックショー氏と同様の話は、ホンダのシビックハイブリッドやトヨタ自動車の『プリウス』を所有する数十人がオンライン・フォーラムで訴えている。 自動車レビューサイト『エドマンズ・コム』の編集者(公道走行試験担当)ジョン・ディピエトロ氏によると、EPAが評価した燃費を現実に経験できることはほとんどないという。評価燃費の75?87%になることが大半で、運転の癖や走る道などによって異なるとディピエトロ氏は指摘する。「新車の燃費がEPA評価の75%を下回る場合は、再検査すべきだろう」 独立した製品試験団体が発行する『コンシューマー・レポート』誌のデータは、ハイブリッド車の燃費が市街地走行時でEPA評価の60%を下回ることを示している。同誌が行なった実地テストでは、市街地でのシビックハイブリッドの燃費は平均11.1キロ、プリウスは平均14.9キロと、それぞれEPA評価の20.0キロと25.5キロを大幅に下回った。高速道路で行なわれた実地テストの結果は、EPA評価にかなり近いものだった。 コンシューマー・レポート誌の上級車両試験エンジニアのガブリエル・シェンハー氏によると、EPAのテストは研究所でのシミュレーションだが、同誌は実際の道路で車を走らせて消費した燃料を測定するので、燃費をより正確に示しているという。 市街地と高速道路における燃費を測定するためにEPAが19年実施しているテストは、実際には車両の排気ガスを測定し、そのデータを使って燃費評価の推定値を割り出している。車両の試作品を研究所に運び、渋滞する市街地と空いている道路の条件下で車両の発進と停止をシミュレートする。EPAのウェブサイトには次のような説明がある。「このテストは、燃料を消費することによって排出される廃棄物を測定したもので、実際に消費された燃料を測定したものではありません。EPAでは、排気ガスを測定することにより、その車両の平均的な燃費を推定できます」 米国科学アカデミーが2002年に出した、燃費標準に関する報告書の執筆者の1人、ジョン・H・ジョンソン氏は、「(EPAの)テストには、もっと重要な工学技術を採り入れる必要がある。ハイブリッド車を扱うための改訂が行なわれていない」と述べる。 ジョンソン氏によると、EPAのテストは再現しやすいように作成されたもので、可能な限り正確にするためのものではないという。「走行中の車両ですべての工学技術要素をシミュレートするのは手間がかかる」とジョンソン氏は述べる。ましてガソリンエンジンをバッテリーで補助するハイブリッド車となれば、作業は恐ろしく複雑になる。 トヨタの環境エンジニア、デイブ・ハーマンス氏によると、EPAの市街地走行シミュレーションでは19ヵ所での数秒以上の停止が含まれ、この過程がテストの「少なからぬ」部分を占めるため、電気モーターを利用できるハイブリッド車が従来の車両よりも高く評価される可能性があるという。「だが私は、テストが的外れな方向に向かっている理由はいろいろあると指摘できると思う」。EPAは1972年の古いデータを基にしており、テスト方法を変更するのはほとんど不可能だとハーマンス氏は指摘する。 1回の走行距離が11キロ未満であれば燃費は悪くなるし、スピードを上げて走っても燃費は悪くなる、とハーマンス氏は言う。「顧客の行動はさまざまだし、データの収集源は限られているのだから、完璧なテストなど無理だ」 テキサス大学オースティン校のフィリップ・シュミット工学教授は、「(EPAのテストには)固有の欠点があり、運転する車の種類には関係ない」と語る。ハイブリッド車ではコンピューターを使ってガソリンの流れをさらに正確に制御しているうえ、従来よりも効率のよい触媒コンバーターが搭載されているため、排気ガスの量が少なくなっているという。ハイブリッド車の排気ガスを抑える能力が、EPAの評価と現実の数字との間の差を広げる要因になっていることは「無視できない」と、シュミット教授は述べている。 トヨタによると、米連邦法は自動車メーカーに対し、燃費を宣伝する際にEPAの評価のみを使うよう求めているという。同社は燃費に関する苦情をいくらか受けているものの、プリウスでEPA評価に近い燃費を得ている所有者も多いという。プリウスの4月の売上は昨年の152%に増加しており、多くの消費者が3ヵ月から6ヵ月の予約待ちだとトヨタは述べている。 ホンダによると、シビックハイブリッドのダッシュボードに燃費表示のできる走行距離計を設置した(写真)ため、多くのドライバーが燃費を気にするようになり、メーカーにとって必ずしもよいことばかりではないという。ホンダの広報担当者は、「すべての車に燃費計がついていれば、(従来の車に対して)不満を言う人が増えるだろう」と述べている。同社は不満を抱いているユーザーに個別に対応しており、燃費に関する質問への回答を再検討しているという。 シビックハイブリッドを所有するブラックショー氏は、EPAの評価のおかげで、技術を最も熱心に支持する人々の一部を失望させるような認識の問題が生まれたと述べる。「虚偽の広告だという噂ほど広まりやすいものはない。だからこそ、どれだけ期待していいかを明確に設定することがメーカーにとって非常に重要だ」とブラックショー氏は語った。 |
[ 540] 氾濫する青色LED――消費者から「目障り」と不満の声 | WIRED VISION
[引用サイト] http://wiredvision.jp/archives/200506/2005060101.html
オーストラリアに住むアプリケーション・コンサルタントのマーティン・ポットさんは、昨年12月に液晶モニターを購入した。ところがこのモニターには迷惑なおまけがついていた。目もくらむほど明るい青色LED(発光ダイオード)が画面のすぐ下で輝いていたのだ。使っているうちにこのLEDが「目障り」で「鬱陶しく」なったポットさんは、仕事の邪魔にならないように、結局このランプを覆ってしまった。 5年前には珍しかった青色LEDだが、現在ではあらゆるところで見かけるようになった。ノートパソコンやDVDプレーヤー、さらには空気清浄器や電動歯ブラシにさえ使われている。こうした状況に対し、一部の消費者は怒りを露わにしている。 『イーピニオンズ・コム』などのサイトの製品レビューには、明るすぎる青色LEDについて不満を述べる書き込みが次々と寄せられている。 赤色と緑色のLEDは数十年前から製品化されていたが、青色LEDが実用化されたのは1990年代に入ってからだ。目新しさも手伝って、青色LEDは最新型の製品のデザインによく採り入れられるようになった。 「消費者は赤色や緑色よりも青色のLEDを好むという調査結果が出ている。青色LEDは他の2色より新しく、製品がより個性的に見えるからだろう」と、スピーカーやウェブカムなど複数の製品に青色LEDを採用している米ロジテック社は述べている。同社によれば、「消費者は青色LEDがつくとハイテクらしさが増すとも感じており、青色LEDは高性能の製品の証しだと考えている」とのことだ。 「青色LEDには、店頭での製品を高級に見せる効果がこれまであったし、その点は今でも変わっていないのかもしれない」と、米デザイン・コンティニュアム社の電気技術者、ブランドン・イーシュ氏は述べる。同社はボストン、イタリア、韓国にオフィスを構える製品デザイン事務所だ。 「登場したころは確かに格好よく見えた」と、シカゴ在住のハイテクマニア、ノーマン・リーさんは電子メールで述べている。2004年5月にパソコンのケースを買ったときのことを思い出して、リーさんは「本当に感動した……青い光が部屋中を照らしていた」と書いている。だが強烈な青色のインジケーターが付いた製品が3台目になった頃には、もううんざりしてしまい、厚紙をライトの上に貼り付けた。 「青色の光は、他のもっと長い波長の光に比べて、不快や不安を感じさせる傾向がある」と、『米陸軍健康増進・予防医学センター』(メリーランド州)で強い光源の悪影響を専門に研究しているデビッド・スライニー博士は述べた。 スライニー博士によると、眼の水晶体は青色の光には正確に焦点を合わせることができないという。赤色や緑色の光だと網膜の位置で正確に焦点が合うが、青色の光は網膜のわずか手前で焦点が合うため、明るい青色の光は周りがぼやけ、目障りに感じられる。 さらに青色は、眼球内を通る間に他の色よりも広範囲に散乱するとスライニー博士は説明する。この2つの現象が合わさって、LEDのような点光源の発する強い青色の光は網膜に広がり、視界の他の部分が見えにくくなる。これは光の分散と呼ばれる現象によるもので、青色は波長が短く、赤色や緑色などよりも屈折する角度が大きいためにこうしたことが生じる。 また、周辺の光量が少ない場合、人間の視力は青色に対する感度が非常に強くなる(この現象は「プルキンエ・シフト」として知られている)。そのため、照明の明るい店内ではただ目立つ程度だった青色の光も、薄暗い部屋の中でノートパソコンで映画を見るといった場合にはまぶしく感じることがある。 近年の研究によると、網膜にはとくに波長の短い光に敏感に反応してメラトニンの生成を抑制する方向に働く光受容体があり、夜間に青色の光を浴びた場合、たとえ弱い光でも、睡眠パターンの乱れや免疫システムの低下を引き起こす可能性があるという。 家電メーカーにLEDの使用方法に関して助言を行なう立場にあるスライニー博士は、夜通し点灯しているような製品には明るい青色LEDの使用を勧めないと述べた。 青色LEDのついた製品を購入した人たちは、自力で何とか光を弱めようと知恵を絞っている。テープや厚紙で覆ったり、配線を外したり、黒のマーカーで何度も塗りつぶしたりと、方法はさまざまだ。 デザイナーでもあるイーシュ氏は、「市場には、設計がまったく理にかなっていない製品があふれている」と嘆く。「これはまさに製造現場の論理だけで生まれた発想だ。メーカーは深く考えもせずに、付けられそうな場所すべてにLEDを付けているのだろう。しかし、各メーカーがちゃんとしたデザイン事務所のデザインを採用すれば、こうしたことも少なくなるだろう――デザイナーたちはこうした事態に気づきはじめているからだ」 さらに、各種機器に強力な青色LEDが使われすぎているため、青色LEDそのものにも悪いイメージが生まれはじめている。「青色LEDをめぐっては、当然の経過をたどっているようだ。顧客からも前ほどの要望はない。先進的な雰囲気が薄れてしまったのだろう」とイーシュ氏。 顧客の苦情に対応を始めたメーカーもある。米ロジテック社によると、苦情の数は少ないものの、同社は明るい青色LEDがユーザーの視界に入らないように製品を設計しなおしているという。 だが、誰もが青色LEDの強い光に不満の声を上げているわけではない。実際、熱烈なハードウェアマニアの中には、今でもまだ不十分だと考えている人もいる。 「当社の顧客からは、LEDランプが明るすぎるという苦情は寄せられていない」と、パソコンのケースや冷却ファンを製造する台湾のクーラーマスター社のセリーナ・チャン氏は述べている。「逆に、ライトが暗すぎるという苦情は出ている」 |
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