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共助とは?/ セントラルファイナンス

[ 100] Vol 5 Interview 21世紀社会における共助のしくみ - Social Designer - 立教大学大学院独立研究科 21世紀社会デザイン研究科
[引用サイト]  http://www.rikkyo.ne.jp/~z3000268/socialdesigner/vol5/p01-interview.html

一言で言えば助け合いの活動がボランティアで、組織的にその活動を行えばNPOだと思っています。世の中には自助、公助、共助があります。企業の経済活動は自助の世界ですね。公助は税金を皆で出して、皆のために使うものです。行政、立法、司法がこれにあたります。戦後の日本社会の仕組みは、この自助と公助の2つしかありませんでした。2つしかなかったのは、経済が戦争で破壊され生活することが出来なかった。そのために経済活動が中心になったのです。
70年代に入って、生活に必要なものはだいたい供給されるようになり、経済の仕組みが整って、それぞれある程度の生活が出来る所まできた。それまでは、欲しい物が手に入らなかったので、皆夢中で働いて、欲しい物が揃ったら幸せになるだろうと信じて働いていました。ところが、あまり幸せを感じない。それは、温かい人間関係が壊れてしまい、心の安らぎが失われてしまったためです。精神的にも寂しくて満たされないし、現実生活で地域社会が冷たくなり、助け合いがなくなり、色々な面で不便になってきました。特に、一生懸命働いた父親、つまり自助の最先端に立っていた父親が疲れ果て、幸せではないですね。奥さんの方も自分の能力を生かせないから不満があるし、子供は外で父親と行動したことがないから、父親はただ疲れているだけの面白くない人だと思い、親子関係が壊れてきます。
自助の社会は「経済で稼いだ方が勝ち」という社会ですから、競争関係になり他の人が敵になってしまいますね。コミュニティ、助け合いが壊れていくという訳です。経済が発展した時に、そのマイナス面に気付くようになって、営利を目的としない、社会に役立つ関係がないと、人間として、特に精神的な部分での欲求が満たされないことに気付き始めた。それがボランティア活動という形で現れ出し、その上にNPOが沢山生まれ、助け合いの活動が始まりました。今の日本はそういう段階だと思いますね。だから、ボランティアとは何かと聞かれたら、広い意味で「共助の仕組み」ということになります。
福祉施設は、利他心を必要とする職場だから、ボランティアになじみます。ただ、ボランティアの方々は労働契約を結んでいる訳ではないですから、いつでも辞められます。一方ボランティアの方がいなければ経営が成り立たない施設ではボランティアの方々がいなければ続きませんね。その事業に社会的意義が存在するのなら、ボランティアは、続くように頑張らなければなりません。しかし、生活ができないようなところで若い人たちが働くのは無理です。そのようなところは定年退職をした人たちにやっていただければ、「食べていけないから辞める」ということはないわけです。
施設を経営する人は、ボランティアが続くような努力をしなければならない。そして、若い人たちを雇用するのであれば、何とか寄付を集めて、その人たちの生活費くらいは払えるようにしないと続きません。私はそう考えております。
ボランティア活動は、元々は「お互い様」の横の関係ではなく、キリスト教的な精神を背景にした「困っている人を助けましょう」という慈善です。困っている人を助けることによって神がその人を助けてくれるという発想です。これを私は「縦型のボランティア」と言っていますが、アメリカやイギリスなどの非常に貧富の格差が激しい国では、この傾向が強いですね。日本では、誰でも自分が恵まれた時は、他の人を救うという精神はあまりなく、「縦型のボランティア」はあまりありません。ドイツやフランスもそうだと思います。ヨーロッパでも大陸の国々や日本は「横型」の考え方で、キリスト教の考え方とはちょっと違いますね。
「縦型のボランティア」では、ボランティアは全部無償でなければならないというのは当たり前の話です。「横型」の多くは有償ボランティアです。相手も負担出来るところは負担するという「お互い様」だから成立する関係です。今はアメリカやイギリスでも「縦型」よりも「横型」が広まってきていますし、ヨーロッパの国々や日本でも「横型」が広まってきていますね。キリスト教の背景がないからボランティアが普及しないというのは「縦型」についてはある程度言えるとしても、「横型」はそれと関係ないと思いますね。ただ、富める人達が沢山現れた所にキリスト教が結び付くと、これが「縦型のボランティア」に発展すると見られます。アメリカは特に貧富の差がありますから、「縦型」も大事ですよ
団塊の世代の方は、定年退職後、経済的な面では人生設計が立っているのが多数派だと思います。経済面では無理して稼がなくても生活が出来るとなると、生き方の問題になりますね。最後はその人の判断になりますが、家にただ居るだけ、ただ自分のその時々の楽しみで時間を過ごしただけでは虚しくなってきます。その時に趣味の分野で参加する場合があります。自分もやっていて楽しいし、能力も生かせるし、人が喜んでくれるというのが大きな報酬になり、元気が貰える。そうすると自分もやさしくなってきますね。NPO活動やボランティア活動をやっている人達は元気です。健康にも良いし、夫婦仲も良いですよ。楽しい家庭にして生き甲斐を持って生きたいと思う方にはお勧めしますね。
それから、大学院で学ばれている方々というのは、先程述べた3つの仕組みの中で共助の仕組みを勉強される訳ですね。今まで、そもそも共助自体があまり評価されないし、大事だと思っていないから、大学も経済学など自助の仕組みについての科目ばかりです。それから、公共経済学、公共政策とかもありますが、これは公助の仕組みですね。しかし、共助はどこの大学にもなかったですよ。3つ並べば良い社会を構築出来る非常に大事な仕組みにも関わらず、これを志す人がいなかった。これを志しても儲からないですから。ところが、共助が大切だとわかってきたから、それを志す人達が増えている。増えているということは、その意味をしっかり皆でわかってやらないと続かない。
社会全体の中で非営利組織がどういう意味を持つのか、どういう関係にあるのか、理論的な基礎は何なのか、その意義をしっかり自覚して欲しい。ほとんどの人達は自覚していないですね。そういう学問がない訳ですから。しかし、行政や経済を軽蔑するのは間違いです。どの仕組みも大事で、どの仕組みも究極の目的は社会を改善することですから、ネットワークを組んでやらないと上手くいかない。そういったことを、世の中にきちんとアドバイス出来るようにならないと大学院で学んだ意味がありません。だから、しっかりと基本を踏まえたアドバイザーになって欲しいし、これからますます重要になってくる出共助のリーダーになって欲しいと思います。
Q 堀田理事長ご自身の法曹界から福祉関係へという大きなキャリアチェンジをしたきっかけをお聞かせいただけますか?
「ボランティア活動をしよう」と考えたのは30代後半位です。その頃、私は法務省から外務省に出向して、アメリカの日本国大使館で3年半勤務していました。当時、私の2人の男の子は、まだ小学校に行っていませんでしたが、アメリカのボランティアの人達に大変お世話になりました。英語も勿論出来ないし、人種が違うので子供達が上手く社会にとけこめるかどうかが唯一の心配でしたが、ボランティアの方々のおかげで、差別されることなく大変楽しくアメリカの生活を送ることが出来、すばらしい国だなと思いました。
帰国後、子供たちを公立の小学校、幼稚園に入れましたら日本語が話せないものですから2人共いじめに遭いました。上の子は不登校になってしまい、私も妻も大変辛い思いをしました。この時、日本の社会が冷たくなってしまっていると感じたのです。
大人の社会がおかしくなっているから、子供の社会がこういうふうにおかしくなっている。大人の社会がどんな人でも受け入れて、一緒にやっていく温かい社会を創らないと日本社会がおかしくなってしまうと考えたのです。経済だけは発展しているけれども、共助が足りないのではないかと思いました。いずれ検事を辞めたら、ボランティアを広めることによって助け合いの社会を創ろうと考えたのが動機です。
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